患者の気持ちに寄り添う接し方

患者を理解することは、看護師の最も重要な仕事である。しかし、患者も十人十色。今日まで生きてきた道のりや育った環境は誰一人同じ人はいない。また、年齢、仕事などが違えば更に考え方や生き方も違ってくる。そんな人の気持ちを100%理解することは到底不可能なのだ。看護師としてできることは、理解するのではなく、理解したいと思う謙虚さを常に持ち続けることだ。そうすることで、相手のことを決めつけず素直に受け入れることができる。

そしてもう一つ大切なことは、患者にとって今が大切であること。病院を訪れるということは、それまで送っていた日常と大きく違うことが身に起こっているのである。当然、その病状は違うが、少なくとも身に起きた異変に不安を抱えていることには違いない。そんな気持ちをしっかり理解して接することが大切である。

最後に、看護師という仕事は、患者がいて初めて成り立つ職業だ。患者の中には、なかなか理解することができず、難しい人もいる。しかし、だからこそ患者の些細な行動や言動、病状、家族のことなど様々な関わりから情報を集め、理解を深めることが大切なのだ。それこそが、看護師のやりがいとも言える。患者とともに困難を乗り越え、ともに病気に立ち向かう病を克服したとき、心から分かり合うこともできるはずだ。

患者の立場になって、いつでも相手を尊重し、敬う気持ちで理解しようとする接し方がポイントだ。それが患者の気持ちに寄り添う接し方につながるのである。